2014年5月21日水曜日

木製で階層レイヤー技法 日本が世界に誇る木工技術 木象嵌MOKUZOUGAN

 もっと箱根を知りたいと思いませんか?
箱根細工には寄せ木、組木、秘密箱(指物)、木象嵌とあります。
今回はもくぞうがんの先駆者である白川洗石が木で絵を作った板
(ズク板)をかんな(せんがんな)で帯状できる技法を作りました。
今のように超仕上げがない時代では画期的でした。
この絵になったかんなクズ(ズク)で小寄せ木、もくぞうがんができています。
 さて、ここからです。寄せ木と同じように木を絵の具代わりに
使いますが、規則的ではない不規則な図形をどのように作ったかと言いますと
白い板と赤い板を合わせてニカワで仮接着して赤の板を
糸鋸でその形状にかたどり、挽き抜きます。
 この糸鋸刃は0.3ミリ程度の精巧なもので定盤を左手で押さえて右手でのの字に
回せばクルッと円ができます。それをさらに精度を上げて線の外側を挽くと
ピッタリと合う方法で鋭利なラインを挽くことができます。

このくらいにして、☆を挽くと、これが白い板に赤い☆がぞうがんされされます。
レイヤーで重ねると下の色は見えません。顔ならば肌を描き、次に髪を重ねれば
髪で隠れた肌のラインは見えなくなります。要するに見えないラインは適当でよいです。
数年間もくぞうがんをやっていました。その時に
源氏車を象嵌したことがあるのですが、最初は放射状にクサビのようにやります。
最後に外円、外円?のリングを描けば鋭利な部分の加工はカットできます。

 このような方法で水車の絵と遠くに富士の見える山水(さんすい)
大名行列、箱根山などの工芸品ができます。
とにかくレイヤーを使いこなすことで、絵の見え方も変わります!
木象嵌=木製の階層レイヤーの合成技術と長年思っていましたが、
やっと謎が解けた気分です。






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